離さない。

何だかこの日は無性に

タマサブローを滅茶苦茶にしたかった。

いつもそれなりの調教に

健気に着いてきてくれる彼なのに

何故、私がそんな気分になったのか

理由があるようで

説明がつかないような

ともかくも、私は

遂行しなくてはいけないという

任務にも似た

感情で動いていた。

バースデーケーキ用の蝋燭は

ケーキに蝋が直ぐに垂れ落ちないように

融点が高い。

つまり熱い

仏壇蝋燭より熱い

ぎゃっ、という

叫びにも似た声を

数回聞いたあと

私は耳障りだ、と

彼の口を塞いだ

モゴモゴとした呻き声は

私の左手の下で

絶え間なく発せられる。

呼吸をすれば胸骨の拡がるということを

感じることができる縛り

後手にしたのは

バランスを取りにくいから

男のシンボルを馬具で痛めつけられても

立っていられるかな？

ねえ、タマサブロー

私を満足させたいという気持ち

ちゃんと伝わってきたよ

残酷さは背中に隠したつもりだったけれど

付き合いの長いお前には

欲を止めきれなかった

こんな私に

これからも

縋りついてでも

応えてもらうよ。

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